なんでもレビュー

GN-001 GUNDAM EXIA
ガンダムエクシア

定価2100円(税込み)、2006年2月発売
(名前をクリックでAmazonの通販ページへ。ほとんどのMIAは約二割引)

 「機動戦士ガンダム00」より、主役機ガンダムエクシアです。
 今から約300年後の西暦2307年の地球、主要エネルギーは枯渇した化石燃料から太陽光発電へシフトし、衛星軌道上に作られた発電施設と地上を繋ぐ巨大な軌道エレベーターが地球上に三基作られ、各国家群が合併して出来た三つの超大国がそれらを管理維持し続けているが、超大国間の威信や超大国に所属することのできなかった国々での紛争、宗教や民族の対立など戦争は未だ無くなってはいない。主人公達の属する謎の組織「ソレスタル・ビーイング(天上人を意味する)」は、ある日突然世界に向けて「戦争根絶のために、世界中の戦争や紛争、それを幇助する者へ武力をもって介入する」と宣言する。武力で戦争を否定するという矛盾を笑われ、世界中の憎しみを向けられる事を承知しながら彼らは行動を開始する。
 ――というのが00の舞台です。
 ソレスタル・ビーイングは200年前の天才科学者イオリア・シュヘンベルグが作り上げ、200年もの間水面下で準備を続けてきた組織で、彼らが所有する機動兵器「GUNDAM」は、世界水準の更に200年先を行く技術を持った圧倒的な兵器として登場します。
 その最たる物が、デザイン発表時に「背中にベーゴマ付けてる?」「胸にはビーダマが……」と言われた半永久機関「GNドライヴ」、通称「太陽炉」。作製に80年というアホみたいな時間が必要なので、そりゃソレスタル・ビーイングも200年間準備するわというものです。

 GNドライヴによって発生するGN粒子を圧縮することで防御フィールドにしたり、ビームサーベルやビームライフル、ビームキャノンなどが使用できるというのが、ガンダムの強み。00の世界ではビーム兵器はガンダムの専売特許。他のMSはリニアライフルやキャノンといった実弾兵器に、カーボンブレイドやソニックナイフ(振動ナイフ)といった実体剣を使用しています。
 そのGN粒子を噴射させることで推進力が発生して大気圏内でも高速で飛行できるんですが、GN粒子を噴射させるとフォトンの崩壊現象による緑色の光が発生し、その光がレーダーや通信を妨害する効力を持っているため、ガンダムが出現すると周囲の通信が途絶えます。ソレスタル・ビーイングはそれを利用して隠密行動や奇襲を掛けるわけですが、それを逆手に取って無駄にレーダーをばらまいてその通信が途絶えている位置からガンダムの位置を割り出すという作戦を取られた事もあったりします。
 ……00見てない人に解りやすく説明すると、「GN粒子とは、ミノフスキー粒子を散布し、武器にもなる変異ニュートリノ」です。んでガンダムはミノフスキードライブ積んでるの。我々の世界の延長にある00世界では、可変MSでも空中変形は想定されておらず、そもそもMSが飛行する事もあまり想定していない(空中では変形した状態で飛行機のドッグファイトのようにして戦い、MS形態には地上に降りてから変形してMS戦に移る)し、勿論ミノフスキー粒子もありません。そこに突如ミノフスキー粒子を散布できるバケモノみたいな機体が現れるわけです。
 装甲にもGN粒子を流してあるため、軽い癖にほぼ無敵の装甲を持っているという反則っぷり。

 今回紹介するガンダムエクシアは、4機ある太陽炉搭載型ガンダムの1機でソレスタル・ビーイングの第三世代ガンダムです。
 近接戦闘用というかなり限定された機体で、開発コード「ガンダムセブンソード」の名前の通り7つの剣を搭載しています。勿論MIAには全種類装備可能。
 パイロットはコードネーム「刹那・F・セイエイ」こと本名ソラン・イブラヒム。中東の小国クルジス出身で、神のためという煽動に乗って隣国アザディスタンとの宗教戦争に少年兵として参加し、参加の通過儀礼的に自らの親を殺してしまった過去を持つ少年。
 戦争の中で絶望し、「この世界に神なんかいない」と諦め、掃討部隊のMSに仲間達が次々に殺され、ついに自分もという時に現れた「ガンダム」に命を救われ、ガンダムに希望を見る。絶望の中で見出した唯一の希望であるガンダムを絶対視し、ソレスタル・ビーイングに入ってガンダムマイスターとなった。
 本編放送前の予告などで失笑を買った「俺がガンダムだ」というセリフの重さ、自分自身がガンダムそのものとなろうとしているという意味などを理解したら、物語はもっと面白くなるでしょう。

 ……さて、そろそろ画像も読込終わったかな?
 今回のレビューは全34枚、1985KBとやたら重たいです。申し訳ない。
 あ、ちなみに刹那さん(16)、主人公なのにガンダム00に登場するパイロットの中では最弱クラスです。
 設定とかではクールと書かれていますが、無口というか自分独自の思考に従って発言するので周囲に意味が通じにくい事もしばしば。結構熱くなりやすい性格でよく暴走するので、ガンダムWのヒイロのようなプロフェッショナルなクールさとはまた違います。一言で言うなら「汚い物を見てきた子供」です。そのまんまですが、そのまんまなんです。そして暴走しても、独自の思考に従った発言なので、説明不足や意味不明で誤解を招いて仲間に怒られる事も。口下手なんです。
 彼が人間としてもパイロットとしても成長していく様を第1期全25話の中で描いたのはお見事。
 ……もう低速回線の人でも読込終わったよね?
 ではレビュー行きます。



 前横後
 デザイナーの海老名兼武氏も「ガンダムに見えつつもこれまでとは異質」と発言しているように、従来通りのガンダムのようでいてよく見ると全然違う形になっています。このトリコロール配色=ガンダムに見えるというのを利用してますね。
 腕で隠れていますが、腰部のサイドアーマーはありません。GP01のように、腰部はフロントとリアアーマーのみ。横向き画像で後ろに飛び出しているのは後述しますがビームサーベル等です。背中の三角コーンが太陽炉です。



 ガンダムセブンソードの開発コード通り、七つの剣を持つエクシア。
 1.GNソード
 2.GNロングブレイド
 3.GNショートブレイド
 4.ビームサーベル
 5.ビームサーベル
 6.ビームダガー
 7.ビームダガー
 詳細説明の前に付属品の説明を。


 1がGNソードです。これはソード、ライフル、シールドの3つを纏めた装備で、エクシアのメイン武器です。デカい。
 2がGNロングブレイド。GNソードがデカ過ぎて扱いづらいシーンが多いため、第6話「セブンソード」でメカニックのおやっさんが宇宙からわざわざ運んできてくれました。
 3がGNショートブレイド。形が少々不格好なのが残念。アニメではもっと細いんだけどね。
 4はブレイドを太ももにマウントするための差し替えパーツ。腰のサイドアーマーが無いので太ももにマウントするのです。
 5が左右銃持ち手。でもエクシアは銃ありません(せいぜいGNソードのライフルモード)。平手の代わりにどうぞ。
 6が左右剣持ち手。でもこれにピッタリ合う武器はないの。全ガンダム共通で作っているからでしょうね。
 7がシールド。打突武器としても使用可能な盾。各国のMSの武装をことごとく防ぐ硬度を持った脅威の盾。
 8がビームダガー用の刃。エクシア以外ビームダガー持ってませんが、他のガンダムにも付属します。
 9がビームサーベル用の刃。硬質な素材なので、へにゃへにゃになることはありません。


 続いて可動の説明。まずは上半身。

 MIAの00シリーズは40箇所を越える可動を売りにしているのですが、これを見たら納得していただけるでしょう。
 肩の付け根は肩ではなく脇腹に接続し、可動幅に遊びを持たせてあるのでぐりぐり動きます。
 ここに胸&肩のパーツ(黄色いスラスターが着いている青いパーツ)を接続するのですが、これから購入する人へ注意。この写真を真似しちゃダメよ。構造解らないまま分解したから、このパーツと肩関節パーツを接続する部分をラジオペンチで潰しかけました。一命は取り留めたものの、ちょっとゆるくなった気がする。
 肩アーマーは跳ね上げ式。肩関節パーツと腕接続パーツなんですが、私のエクシアは両肩ともアーマーを外しているとゆるゆるのスッカスカで位置を維持できないのですが、ひょっとすると仕様かも知れません。気になる人は接着剤などで接続軸を太くしましょう。気にならない人はアーマーさえ外さなければあまり困りません。


 首は顔・首・胴の3パーツ構成。ボールジョイントなうえに軸が長いので案外動きますが、上を見上げるといったポーズは少々苦手。
 なお、肩部のアンテナは動きませんので、気になる人は改造してください。まあ起動中は戦闘中でもアンテナ立てっぱなしなんですけどね。


 腰回り。アーマーは相変わらずの一体化式。MIAの素材は柔らかいため、この腰アーマーも足の動きに合わせて柔軟に動いてくれますが、その状態で固定しておくとしばらく元の位置に戻らなくなるでしょう。要注意。胴パーツは一見ひねりを入れられそうなんですが、腰回りは全て単軸接続なので、横に軽く回転するだけです。
 この腰回りが単軸接続なのは勿体ない。ここを2重関節にしておけばもっと印象が良くなる重要なポイントだったのに。


 先ほど書いた首の「案外動く」図。肩部アンテナを基準にすると首の位置が結構前後に動くのが解りやすいかと。


 肩のスウィング機構はこんな感じです。結構派手に動いてくれますが、劇中の動きが更に激しいため、もうちょっと動いて欲しいなぁと欲が出ますね。
 ってか、00の戦闘シーンバンク皆無だったのが凄い。初のハイビジョン制作で、すごいなめらかに、しかし激しく動くのに、バンクは皆無。さすがガンダムブランドの予算力。全話最低2回見てますが、記憶する限りバンクシーンは23話「トランザム」での対ファング密集体系シーンが同話で2度使われたのと、後はファング射出の瞬間と、GN-Xのビームサーベルを掴む瞬間ぐらいのものでした。他はガンダム発進シークエンスの一部かな? 種やZZのようなキメポーズや、種デスの戦闘シーンをバンクにするような事はありませんでしたね。


 片方を前方に、片方を後方にスウィングさせるとこんなにも違いが。上からだとほとんど腰をひねっているようにしか見えませんが、右の写真のGNドライヴ(胸のビーダマ)と黄色いスラスターの位置を見ると一目瞭然。これはなかなかありがたい機構。設定ではここまで動くのかわかりませんが、アニメでも胸部スラスターがフレキシブルに可動するシーンは何度もありますので、ここに関節が仕込まれているのは玩具の独自設定ではありません。


 腕の可動範囲はこんなもの。残念な事に、近年のMIAの中でも動かない部類に入ります。近接戦闘型MSなのに、僚機である重装型MSガンダムヴァーチェ(コンセプトは移動要塞)よりも肘周りの可動が劣るというのは致命的。
 二の腕のコードというかシートが邪魔をしているように見えますが、それ以前に肩アーマーと二の腕の天辺が干渉しているので、シート以前の問題でした。
 また、肘関節は二重関節にもかかわらず、腕の形のせいで写真の位置が限界。あれ以上曲げることも一応は可能ですが、その場合は干渉を無視して二の腕を腕にめり込ませるようにしなければいけないので、長時間飾ると形が変わってしまうためこの位置を限界としました。
 肩関節のスウィング構造がなければフォローのしようがないほど致命的な構造ミスです。



 あの程度しか動かなくても、この程度のポーズが取れるのは幸いです。

 続いて下半身の説明へ。

 足回りの関節がとにかく凄い。膝の二重関節に加え、足首はガンダム2ndから導入されたスリッパ構造をさらに進化させたブロック構造になり、接地性と関節保持力が大幅に向上しました。
 分解の際の注意点として、緑の矢印のパーツは引っこ抜いてはいけません。確実に関節強度が落ちます。これは接続用の穴に比べてボールジョイントのボールが圧倒的に大きいため、一度抜いてもう一度接続しようとすると受け口が広がってしまいます。
 また、左右の足の長さが違う場合は、膝関節のグレーの隙間の広さに注目してください。もしそこに差があったら、青い矢印の接続が影響しています。
 太ももの付け根と膝関節を繋ぐためのパーツは青矢印で指している通り、接続用の段差が2個あります。片方が1個目で止めていて、もう片方が2個目まで差し込んでいる場合、左右で長さが変わってしまいます(私のはそうなっていました)。これは、逆に身長を伸ばす改造をしたい人は1個目で止めるように一度引っこ抜いてから差し込めばいいので、結構お手軽な改造になります。


 かかと落としも何のその。座禅だって組めちゃいます。
 まさか組めないだろうと思ってたら組めちゃったので、かなり驚きました。なんだこの可動。
 上半身というか、腕周りの可動とは雲泥の差です。


 さて、いよいよ武器の解説に。

 一番上がシールド、真ん中と下のを合わせてGNソードになります。
 本体の腕に接続用の穴が空いてあるので、そこに緑の矢印で指した箇所を接続します。両シールドともボールジョイントで、大きい方のシールドは案外動いてくれます。
 赤矢印同士を単軸接続して、GNソードの完成です。
 作中ではあまりGNソード側のシールドで防ぐ描写はありませんでしたが、第15話「折れた翼」では右の写真のように左右シールドでしっかりと防御していました。


 ビームライフルです。形状的にはビームピストルといった雰囲気ですが、唯一の中〜遠距離武器なので頻繁に使用します。牽制に使うこともしばしば……というか牽制がメインかな? 一応GNバルカンもあるようですが、手首に仕込まれているらしく、使用シーンはほとんど無かったので、そちらは近距離牽制用の武器なのかも知れません。
 GNソードの刀身が巨大なので、取り回しが難しそうに見えますが……MIAでは更に刀身が巨大になってるので、本当に取り回しが難しいです。
 基本的には相手に接近するまでに連射して牽制し、近距離になれば相手の懐に飛び込んでセブンソードを駆使して一気に畳み掛けるというのがエクシアの戦術なので、ある程度近づいたら使う必要ないんですよね。


 大きすぎてレビュー用の写真にも一苦労。仕方がないので、開脚限界の説明も兼ねた写真に。
 ここまで開脚した上で、ちゃんと両足が全面着地しているのが足首のブロック関節が成功している証明ですね。
 GNソードはライフルを持った状態で刀身を回転させてソード状態にするので、通常の剣のように腕と垂直に持つのではなく、腕と平行に持つという形になります。実在の武器で言うとジャマダハル(西洋で言うカタール、ただし誤用)と同様です。


 劇中ではこういう形態で使うことは無かったと記憶していますが、真っ直ぐ持つことも可能。
 巨大なだけにこういう手首関節に負担のかかる持ち方はせずに、より強い力で腕を振るそのままの勢いで薙ぎ払えるジャマダハル形式で運用した方が良いんでしょうね。
 このGNソードと、次に紹介するGNブレイドは「ビーム兵器が使える」というガンダムの特性とは真逆の実体剣です。
 刀身にGN粒子を薄く纏わせる事で切れ味を増幅させており、劇中の表現を見る限りではGNソードに回すGN粒子の量によって切れ味が上昇する様子。
 なぜガンダムに実体剣を装備させているのかというのは第1期最終話で語られるが、敵がGNフィールド(圧縮したGN粒子で防御フィールドを作る)を持っている事を想定していたから。
 「何故GNフィールド相手に実体剣なら通用するのか」という説明はされていませんでしたが、ガンダムヴァーチェがGNフィールドで敵の実弾兵器を無効化していたため、実体だからという理由ではGNフィールドは破れないので、恐らくはGNソードやGNブレイドに纏わせるGN粒子とGNフィールドに使われるGN粒子を相殺させるというのが理由かな?



 GNロングブレイドとGNショートブレイド。太ももにマウントして使います。太ももの白い円形パーツをマウント用のパーツと差し替えます。
 MIAのパッケージ写真では右にロング、左にショートを差してますが、逆です。左にロングで右にショートが正解。
 接続は円形のパーツなので、マウントした状態で縦に回すことが可能。劇中でも地面に倒れたまま、腰にマウントしたロングブレイドを回転させて相手をはね除けるシーンがあります。


 GNショートブレイドは何故か順手じゃなくて逆手で持っている印象があるんですが、ただでさえ出番の少ないGNショートブレイドの主な使い方は投擲で、他は順手で持ってたり逆手で持ってたり、色々です。
 さらに、今映像を見返していて気付きましたが、前後逆に持たせていました(汗)
 青いのは後ろ側(手首側)に来るようですね。ちらっと見たシーンでそうなってたので別のシーンでも確認をしようと思ったら、戦闘シーンが高速すぎて0.2倍速で再生してようやく確証が得られましたw
 左にロング、右にショート、青いのは手首側、テストに出ます。



 続いて、ビームサーベル。といっても画像は1枚だけですが。
 肩の後ろに差しているのがビームサーベルです。これまた戦闘が高速すぎて抜刀シーンが0.2倍速再生とかじゃないと確認しづらい事が多いのですが、第一話でパトリック・コーラサワーのイナクトを倒した後に、GNソードを収納する瞬間にビームサーベルも肩に納刀しています。


 そしてビームダガー。GNソードに次いで活躍することが多く、刹那はこれを近〜中距離用の飛び道具として多用します。投げずに使ったのは海中の敵を刺しに行った時と、最終話でセブンソード全て使うシーンの2度だけじゃないだろうか。とにかく投げる。そして当てる。
 アニメでは――

 このように斜め下を向いていたビームダガー収納基部が抜きやすいように地面と平行になり、更に左右に展開して抜刀を容易にするというギミックがついていますが、MIAではそのギミックは全部ありません。HCM-proは基部が平行になるギミックのみ搭載していますが、やはり左右展開はなし。やっぱこのサイズの完成品玩具じゃ難しいか。



 缶コーヒーとのサイズ比較。
 本当はHCM-proのエクシアSPとも並べた比較画像を用意してたんだけども、それまで入れると画像合計が2Mを越えるので断念。
 足をちょっと開かせているので、缶コーヒーより若干低く見えますが、実際にはほぼ同じか1mm未満飛び出すぐらいです。

・総評
 上半身の可動は腕の可動範囲が狭い事と、関節保持力が仕様として弱いんじゃないかという疑いで大きなマイナスだけれども、スウィング機構はなかなかのもの。腕の可動範囲にしても、修正改造が容易そうなのでいずれ改造してみよう。
 腰の可動が横への回転軸しかないのも残念。もう300円高くなったとしても、腰の可動に力を入れて欲しかった。
 下半身の可動には文句がない。強いていうなら、爪先や土踏まずなどに可動軸を作って欲しいが、これをするとブロック関節が弱くなるから仕方がないか。
 付属品は、MIAの命題でもある「武器が大きすぎる」というのがここに来て極まってきたかなと実感。手首の大きさに対してビームサーベルとダガーの柄は大きすぎ、GNソードとGNブレイドの柄では小さすぎる。GNソードの刀身も、長さはともかくデカサは劇中の1.5〜1.8倍はあろうかという巨大さで、迫力はあるけれども限度があるか。適度な大きさというのが難しいが、やっぱり大きすぎる。
 平手がないのも勿体ない。近接戦闘型なので、通常の機体以上に平手が映えるというのに勿体ない。
 塗装に関しては完璧とは言えないが、思っていたよりも全然良かった。
 EMIAウイングゼロカスタムに比べたらむしろ綺麗な塗装と言って良い。などと言ってみても、不安な人は店頭で他の人の迷惑にならない程度に選別することをオススメするレベルではあるが。
 定価2000円+消費税という値段設定は、00シリーズ第一弾で主役機だから大量にはけると見込んで通常よりも下げたのだろう。
 おかげでコストパフォーマンスは良好だ。改造も容易なので、もう1体買ってトランザムモードを再現しようかという欲が出てくるほど、お手頃感がある。

 そんなわけで、総評でした。
 発売された時はMIA不振&不信の真っ直中だったうえに、塗装が酷いという愚痴を各所で見かけたので購入していませんでしたが、放送終了を期に購入を決意。あえて評判の悪かった時期の物を選んでみました(注:キャンペーン用の帯がついている物)。
 しかしながら、予想外に良い出来。
 丁度HCM-proのエクシアSPを買って、造型は良いけど接地性や可動範囲が今ひとつだなと感じていたので、この抜群の接地性には大満足。
 私の購入した物は、腰アーマーのパーツが製造段階で歪んでいることが分解中に判明しましたが、デザインナイフであっさりと修正できたのも、やっぱりMIAの素材はアクションフィギュアに適しているなと再確認できました。

 もう少し他のガンダムとの絡みも撮ってみたかったけど、持っているのがヴァーチェだけで、しかもパーツ初期破損のためにバンダイからの補給待ちだったために断念。この写真を撮り終えた頃に届きました。
 まあその時点で170枚強撮っていたので、撮っていたとしてもこれ以上はこのレビューに載せるのは厳しかったかも知れませんね。

評価箇所(最大点数) 点数 理由
可動(20点) 17 下半身の可動は満足。構造上、これ以上望むのは酷かも知れないと思える。
上半身は、腕周りの可動範囲が狭いのが致命的。
セブンソードで腕を振り回す機体なのに、満足に振り回せないのはどうか。
ただ、肩のスウィング機構は良好。関節が弱くなりがちなのに目をつぶれば、これからも導入して欲しい。
首周りは及第点。
見上げたり俯いたりというのは満足はいかないが、出来ると言えば出来ているのかなというレベル。
腰の単軸による横可動は残念。フレキシブルに動けばなと残念になる。
とは言え、全体的に見ると可動は良好。やはり下半身と肩スウィングが大きい。
付属品(10点) 8 剣デカすぎ。そして平手がないのが残念。
しかしシールドにボールジョイントを入れて動きの幅を広くした事や、使わない左銃持ち手を付属させた事、
ビームサーベルとダガーの刃を2本ずつ入れたことなどはありがたい。
プロポーション(20点) 17 GNソードとビームサーベル&ダガーが大きすぎて、野暮ったくなってしまった印象がある。
GNソードの塗り分けなどは頑張っているだけに、大きすぎるのが勿体ない。
全体的な塗りとしてはバリやムラが少々目立つが、極端に汚いというほどではなかった。
エッジがゆるいのは仕方がないが、MIAにしては頑張っているだろう。
細部ディティール(10点) 7 頭のスリットなど細かいところも塗り分けてあり、目立ちにくい肩アーマーのモールドなども掘られている。
完璧とは言えないが、なかなか頑張っている印象。
関節保持力(10点) 8 下半身はともかくとして、上半身に難があるかなという感じ。
腕関節にしてもGNソードが巨大すぎてへたれやすい。
腕周りあまり動かないんだから、動いて欲しくない時にも動かないで欲しいものだ。
コストパフォーマンス(10点) 9 凝った関節、武器の多さやギミック、パーツ塗り分けの大変さなどを考えると、よく頑張っている。
僚機が2625円(税込み)なのを考えると、やはり大量に捌く事を見込んでの決断だったのだろう。
量販店ならば1680円や1470円といった値段で見かけることもあるだろう。買いだと思う。
満足度(20点) 19 正確には18.7だが、まあ0.3点ぐらいオマケしてもいいかということで19点。
GNドライヴの緑色が濃すぎるという意見も目にしたことがあったが、劇中でも案外こんなもんだったりする。
武装は少々というかだいぶん巨大だが、その辺りはもう諦めるしかないのかも知れない。
これで腕と肩の問題さえ解決されていたら満足度も20だっただろう。
塗りのムラやバリ、接着剤がはみ出ている等の問題は未だにMIA全体で内包したままなので、要注意。
近接型という特殊な機体なので、格闘戦を演じた機体と絡ませて飾りたいところ。
よくエクシアにいじめられるティエレンが出る08年6月まで待ってから購入するのも良いだろう。
合計(100点) 85点


    DVD BD

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