なんでもレビュー

MS-06F ZAKU II
ザクII

(EMIA版)
定価1800円、2005年9月発売
(名前をクリックでAmazonの通販ページへ)

 EMIA第6弾、遂に出た「量産型ザクII」です。
 「機動戦士ガンダム」の最もポピュラーな敵機体で、その後の作品にも同機体や後継機が出演し続けるという人気No1のモビルスーツ。
 他のEMIAと同じく汚し塗装が入っています。

 全身像

 写真では汚し塗装が目立って茶色に見えていますが、本来はもっと深い緑と灰色っぽい塗装になっています。
 プロポーションはセカンドバージョンのザクに似ていますが、全体的な大きさもパーツごとの大きさもほとんど同じようなサイズです。
 シールドの裏と背部スカートアーマーの長方形の穴には、ザクマシンガンのマガジンを装着することが出来ます。
 ではもう少し詳しく、可動範囲から書いていきましょう。


 まず肩のスウィング機構ですが、セカンドバージョンから比べてそう大した変化はありません。赤い線が可動の中心です。肩と胴体の連結パーツはセカンドとほとんど同じですが、付け根が1mm弱前に出ています。
 ということでスウィングは劇的な変化はなく、微調整程度ですが、可動範囲は格段に上がりました。
 それが解りやすいのが右の写真です。セカンドでは45度開けば良いなという程度だった肩が、90度近く動くようになりました。二の腕辺りの可動範囲はセカンドの時点でほぼ完成してたので変化無し。でも肩が開くというのは高ポイント。シールドがあっても背部までスムーズに移動するので、ポーズも決まります。


 そして首周り。緑の○で囲んでいるのが新しいポイントなんですが……すみません、ちょっと画像の圧縮に失敗したらしく、粗いですね。
 基本的にはEMIAグフの首関節と同じで、胴体から直接頭を繋げるのではなく、胴体+ジョイントパーツ+首関節+頭という多層で構成されています。胴体には鉄アレイの様な両方がボールになっているジョイントパーツが繋がっており、それを首関節パーツと繋げます。そして首関節のボールジョイントを頭と繋げるという機構で、これにより凄まじい可動範囲が確保され、表情付けの幅がグンと広がっています。


 腰にもドム(セカンド)やグフ(EMIA)で使われているような多層構造になっており、腰+腹部+胸部をそれぞれボールジョイントで繋いでいるため、前後左右に加えて上下にも可動するようになっています。
 上の写真はその胴体と首周りの可動範囲を写したもので、腰パーツの角度が変わっていない事から、かなりの可動範囲があるという事が解って頂けるかと思います。


 続いて下半身の可動範囲。
 セカンドからの具体的な変化は、足の付け根がすり鉢状になっているので、太腿の可動範囲が増えた事と、膝関節が変わったために多少膝から下も動くようになったという事。膝関節の変更は、接地性にも多少の影響を与えてそうです。
 ただし、足首がセカンドからほとんど進化していないため、接地性はドム(セカンド)やグフ(EMIA)よりも1ランク落ちます。足の裏のサンダル機構は、セカンドよりもしっかりとして目立たなくなったのですが、その代わりに可動範囲がガクっと下がりました。まあセカンドほど動いても意味がないので、ほどほどになったという事で。


 何よりも最大の進化はコレでしょう。
 モノアイの可動!
 MIAでは無理だろうと思われていましたが、しっかり動きます。しかもパーツを取り外したりせずに、ポーズを付けた状態のまま動かせます。
 その理由は右の写真の赤い矢印のレバー。これを右に押すとモノアイも右に、左に押すと左に動くようになっています。可動の最大範囲は上の写真くらいだと思って下さい。まあこれで充分なんですけどね。


 モノアイが動くとこんなに決まる。
 格好良く見えるポーズの幅が格段に増え、これだけでEMIAになった価値はあるかと。


 付属品はこんな感じ。
 ヒートホークの持ち手が左右、銃の持ち手が左右、指さし用の右手が一つ、左の平手が一つ。そして指揮官用ヘッド。MIAで初めて、量産型ザクで指揮官が再現できるようになりました。
 ザクマシンガンはセカンドから少し変化し、ドラムマガジンの連結部も代わり、銃身とグリップが分離する謎の機構も消えました。それ以外は特に変わらず、少しだけ小型化したくらいです。
 バズーカーは長さや太さはセカンド時とほとんど変化がありませんが、グリップ周りだけこれも小型化。セカンドの武器は大きすぎるくらいだったので、こうなったんでしょう。
 クラッカーは変更点が見あたりません。せいぜいラックを胴体に繋ぐための棒が細くなったくらい?
 脚部ミサイルポッドは細部ディティールが強化され、以前はポッド本体と足を一周するパーツが別だったのが、一周パーツの後部がポッドと一体化しており、前部だけで止めるタイプになっています。ただ、何故か私が買ったやつでは左右とも一周パーツが右足用だったために、左足は無理矢理巻いて無理矢理ねじ込んでます。セカンド買ったときはパーツが歪んで左足が装着不能だったし、何なんだ……。
 武器で一番変わったのはヒートホークですね。一回りどころか、二回りぐらい小型化され、クリアーパーツの刃と、腰に装着するためのマウントラッチが付いた。前のヒートホークのバカデカさが好きな人はご愁傷様ですが、これはこれで綺麗にまとまっています。


 付属品を装着した場合はこんな感じ。
 左は腰にヒートホークをマウントし、左手は平手。指揮官ヘッドのモノアイを可動。
 右は腰にバズーカーをマウントし、右手は指さし。肩の可動範囲向上により、こういうポーズも可能になりました。


 クラッカーとヒートホークを持たせてみる。頭も指揮官から通常ヘッドに変更。

 総合的に見て、やはりEMIAだなという安定した高品質さが嬉しいですね。首周りとモノアイの可動に加えて、肩が広範囲に動くようになったのが進化点。下半身は現状維持という感じ。実際には微改良されてるんですけどね。
 しかしEMIAグフの時にも書きましたが、通常のMIAから300円プラスでここまで変わるのは凄い。技術の進化が目に見えて解ります。
 セカンドで不評だった色も渋く落ち着いた色になり(写真であまり表現できなかったのが残念です)、渋い路線で行くためか、バックパック以外のバーニア部はセカンドであったシルバー塗装が無くなっています。汚し塗装もどぎつくはなく良い感じ。シールドの塗装はちょっと目立つので、複数購入する人などは気になるという人もいるかと。
 セカンドにあった凄い量の武装はなくなりましたが、本来このぐらいでも充分かなという気がします。
 「特出した」ものはなく、あくまでも「量産機」を主眼に据えた良いMIAですね。

評価箇所(最大点数) 点数 理由
可動(20点) 18 まさかのモノアイ可動。そしてシールドがあっても腕を横に広げられるという改良。
首や腰の柔軟な可動に、セカンドから微改良された肩と脚部。
ザクに取らせたいポーズは大半再現可能じゃないでしょうか。
付属品(10点) 8 セカンドにあった武装は無くなっており、セカンド特有の多種多様な装備の使い回しは出来ない。
その代わりに表情付けに便利な手首と、指揮官ヘッド、新しくなったヒートホークなどが付く。
セカンドもエクステンデッドもどちらも違った良さがある。
プロポーション(20点) 20 これぞ私が求めるザク。
細部ディティール(10点) 8 汚し塗装は好みが分かれる所でしょうが、私は好きです。
モールドも過不足無く、スミ入れも過剰ではないと感じます。
関節保持力(10点) 8 セカンドの「ポーズを取らせてたらサンダル関節がゆるんで体勢を崩す」というのは解消。
少々肘の二重関節に不安はあるが、その他の関節は中々のもの。
コストパフォーマンス(10点) 9 セカンドから300円アップの1800円でここまで出来るかというのは驚く。
指揮官ヘッドも付属した事だし、3機買いして小隊再現というのもしやすい価格に収まったのは吉。
満足度(20点) 19 ほぼ完璧。強いていうなら、太ももの付け根に横の回転軸を設けて欲しかったかな?
ヒートホークもあと7%ぐらい大きかったら良かった。それ以外は今のところ文句なし。
合計(100点) 90点



    

レビュートップへ なんでもレビューへ ESIO トップへ ESIO 入り口へ