なんでもレビュー

MS-09 DOM
ドム(セカンドバージョン)

定価1500円、2004年6月発売

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 ジオン軍の地上用重モビルスーツ、ドムです。
 重々しい外観とは逆に、ホバリングによる高機動性を持っています。
 作中では重武装・重装甲・高機動という、凄まじい性能の機体を“黒い三連星”の名で畏れられるエースパイロット達が操ったことにより、主人公達に多大な損害を与えました。
 主人公達を支えていた補給部隊が彼らを救うために特攻した際に、無惨にも振り下ろされた双腕はあまりにも印象的。今ではドムを操縦していたパイロットの名を取ってオルテガハンマーの通称で呼ばれています(上の画像はそれをイメージしたもの)。


 付属品はオルテガハンマー、左右特殊平手、左右握り拳、左右サーベル持ち手、左右銃器持ち手の全9種類の手首が付属。
 武器はジャイアント・バズ、ラケーテン・バズ、シュツルムファウスト、ヒートサーベル(通常時)、ヒートサーベル(白熱時)が付属。
 ジャイアント・バズとシュツルムファウストは、かつて高機動ザクR2のセカンドバージョンと雑誌付録に付属しましたが、マイナーチェンジが行われているので同じものではありません。
 サーベルは曲がっているものが多いので、お湯などにつけて矯正してください。ラケーテンバズは後述します。


 立ち姿。
 どっしりとした構え。重モビルスーツという感じです。腰の分厚いスカートや太い腕などが雰囲気を出しています。
 プロポーションとしては過不足無いと思います。


 さて、プロポーションとしては過不足ないと書きましたが、その他の部分ではありますよ。といっても不足ではなく過の方なんですけどね。
 上の写真を見ただけでも、解る人には出来の良さが解って貰えると思います。
 足の開き、腰のひねり、腕の角度、首の位置、姿勢の安定など、様々な要素が今までのドムからは想像できないほど動きます。
 ということで可動範囲を紹介。


 まずは頭。
 首がここまで上下します。
 無論左右にも動きますが、左右に動かした上での上下は少ししんどいです。


 首を外すとこんな感じに。
 首もとに別パーツが組まれているうえ、外さないと見えないはずの首の裏までしっかり作ってあります。


 肩アーマーは実質2パーツからなり、ボールジョイントで連結されているため、肩の跳ね上げも可能。


 肩の付け根。前後のスウィングは今までになかったくらい激しく可動します。
 付け根の中心ラインが緑の線ですので、どのくらい動くのかがよく解るかと。
 ただし、アーマーを付けると多少干渉するので可動範囲は落ちます。それでも充分なほど動くから大したものです。


 背中はこんな感じ。
 細かいモールド(筋彫り)もさることながら、ブースターノズルもよく動く上に細かいです。


 そして、胴体。
 黄色い線を見て貰うと一目瞭然、胸部・胴部・腰で連結されているので、細かい動きから派手な動きまで可能です。
 上下も腰の回転も、今までに発売されたどのMIAよりも高品質だと思います。


 腕も太いだけじゃない。
 ほぼ水平まで楽に上げられるうえに、アーマーの跳ね上げやら工夫すればもっと上がります。
 肘も二重関節で180度まで曲がります。


 肩のスウィング、腕の可動、首と腰の可動などを合わせると、完全にオルテガハンマー(仮)を再現できます。
 今までここまで楽にこのポーズを取れたのは、ザク(セカンド)・ガンダム(セカンド)・GP01・アッガイ・ゴッグくらいのものだと思います(ラスト二つは反則くさいけど)。
 さすが専用の手首を付けただけの事はありますね。

 さて、続いて下半身の可動について。


 上半身との連結は、セカンドバージョンのスタンダードでもあるボールジョイント。
 また、腰のサイドアーマーもボールジョイントなので、綺麗に動きます。
 ついでに、腰アーマーは柔らかく、多少無理に動かしても大丈夫です。


 下から見た図。
 ブースターも注目ですが、内部の赤いパーツにも注目。サイドアーマーまでしっかり作り込んでるなぁと感心しました。


 大注目の足パーツ。
 写真では解りませんが、足のパーツ数は多く、太ももの付け根・太もも・膝関節・ふくらはぎ・足首・足の6パーツで成り立っています。
 これは本当に脱帽ものの出来。
 まず膝は二重関節。それも膝を曲げた際に見える関節パーツも従来のMIAとは違ってメカニカルな装飾がほどこされています。
 ふくらはぎパーツも普段ならば足で見えないはずの内部まで色分けしてあります。そして、ホバリング用であろうパーツまで……。このパーツは接着されているものの取り外した場合に三つの穴が空いているらしく、派生機であるリックドムの伏線かとファンの間で騒がれています。
 また、足首パーツと足パーツも別のパーツですが、コレを採用されているのは現時点(2005年10月)でもごく一部。その中でも成功していると言えるのはガンダム(セカンド)・GP01・GP02のみだったと思うのですが、このドムこそがそこに加わる新たな一例なのは間違いないでしょう。


 足と足首を別パーツにする事でここまで動きます。
 形状としてはザク(セカンド)とジョイント位置まで類似していますが、あちらとは違い、強度や保持力も(完璧とは言えないまでも)上昇しています。
 また、太ももの付け根の色が灰色になっていますが、それについては下記。


 上半身と腰は前を向いているのに、足は真横と後ろを向いてます。これは、太ももの付け根と太ももパーツが360度回転するという事。
 太ももの付け根パーツ自体が足の可動をしやすいように設計されているので、それと相まって恐ろしいくらい動きます。


 片ひざ立ち。これまで(2005年10月)のMIAではこれを出来るものは希有で、出来たとしても少しのけぞるような形になりやすかったのですが、これは完璧。問題はドムという機体の設定上、片ひざ立ちをする必要が無いことか。
 構えているラケーテン・バズは、風防パーツの裏に取っ手のようなものがあるんですが、それさえも掴める事には驚きました。


 ヒートサーベルの図。右八相(右手を右肩に、左手を鳩尾に構えるという、剣法の構えの一つ)も、ぎりぎりなんとか構えられる。この写真を撮った時だと少し失敗してますが。肩アーマーを外せば完璧に出来ます。


 どれだけ動くかという証明を。
 どないやねんというほど動きます。右の写真は別の手首にした方が解りやすいかなと思いましたが、ようは背中で手を繋げるよという定番のポーズです。左のは……まあ動くよ、とね。


 新武装、ラケーテン・バズ。本来は派生機であるドム・トローペンを代表する武器です。
 マガジンも取り外しが出来る上に、グリップも前後に可動。風防の取っ手も塗り分けがされており、サイトもピンクで色分け。更には風防の向こうから除くと、風防に空いた穴からサイトが見えるという完璧な出来。


 構えているのを後ろから見た図。
 よくここまで進化したもんだとしみじみ。


 ヒートサーベルを抜くポーズなんて楽なもの。
 ムリな姿勢もバランスもお手のもの。
 総合的に見ても欠点がほぼ見つからない。強いて上げるなら、可動範囲と箇所が多い割にずっしりとしているため、関節の保持力が弱くなりやすいという事。高望みをすると、(当たり前だけど)モノアイが動かない事と、首を横に向けた際に上下できない事かな。

評価箇所(最大点数) 点数 理由
可動(20点) 19 ドムの癖にここまで動くかという凄まじい可動。
20点にしなかったのは、エクステンデッドでモノアイ可動版が出ることを期待して。
付属品(10点) 7 満足なんだけれども、ヒートサーベルがあまりにもぐにゃぐにゃ曲がるので減点。
プロポーション(20点) 19 どっしりしていてドムらしい。もうちょっとだけスネが大きくてもいいかな? 好みの問題ですね。
細部ディティール(10点) 9 見えないところにこそこだわったような細かなディティールが格好良い。
関節保持力(10点) 6 やはり重モビルスーツ、パーツが重いからどうしても関節が弱くなる。それでも及第点ではある。
コストパフォーマンス(10点) 9 ザク(セカンド)と同価格でここまで動くかという感動がある。
満足度(20点) 17 ヒートサーベルのグニャグニャでマイナス2、首周りと関節保持力でマイナス1。後は文句なし。
合計(100点) 86点



    

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