なんでもレビュー

BILLBINE
ビルバイン

定価2100円(税込み)、2007年8月発売
(名前をクリックでAmazonの通販ページへ)

 バンダイのアクションフィギュア「IN ACTION!! OFF SHOOT」の第2弾は「聖戦士ダンバイン」の前半主役機「ダンバイン」と後半主役機「ビルバイン」です。
 当サイトではMIAシリーズであるということを明確にするため、「MIAO」と表記していますがMの字は本来どこにも入らないので、他サイトでは「IAO」か「IAOS」で表記する所が多いかと思います。
 ≪「イン アクション!! オフシュート」は、組立塗装済みアクションフィギュア「モビルスーツ イン アクション!!」シリーズによって培われた技術を余すことなく各所に採用し、可動、塗装表現共にハイレベルで展開するフルアクションフィギュアシリーズです。劇中のアクションを再現できるスペックと共に、様々な作品のキャラクターを立体化します。≫
 というのが箱に書かれたシリーズの説明。

 さて、そんなわけで富野由悠季監督の代表作のひとつでもあるダンバインから後半主役機のオーラバトラー「ビルバイン」です。
 番組後半で登場した主役機ではあるものの、それまでの機械と生物の融合したようなデザインからはかけ離れた、明らかに世界観にそぐわない「メカ」となってしまいました。アニメにはよくある「スポンサーがオモチャを売りたい」という意向によって世界観と合わないデザインになったという例です。デザイン自体は好きなんですが、やはり浮きまくってますね。


 前横後。
 コックピット周辺の装甲はグレーのクリアパーツで再現していますが、薄すぎてコックピット内部がぼんやり見えています。
 肩や足などには特にモールドは無く、アニメらしいデザインとなっています。
 側面から見るとオーラコンバーター(バックパック)に線が入っているのが見えますが、私の買ったビルバインはその部分に隙間があります。
 背中のオーラキャノンは一切可動せず。


 腕は二の腕に回転軸があり、さらに手首を単軸接続、手の平も単軸で接続です。
 なぜか手首はボールジョイントではありません、単軸な上に交換がし辛い作りになっています。


 肘は90度ぐらいなら曲がります。
 ちょっと肩がどのぐらいまで上がるかという写真を取り忘れましたが、アーマーが阻害するので60度程度です。それより上げるとアーマーが飛んでいきます。


 首は良く動きます。変形用の機構も使えば真下も向ける。


 肩は前後のスウィング機構が採用されていますが……観ての通り、意味があるんだかないんだか……。
 無いよりはマシという程度ですね。


 膝は2重関節ですが、90度曲がるかどうか。2重関節である意味は変形のためだけです。

 片膝立ちをしていますが、羽が無いとほぼ無理かも……。
 コックピットも再現しようとはしていますが、ただ単に砂色の椅子を接着しているだけです。
 パイロットであるショウ・ザマのフィギュアも付属しないし、特に細かいディティールがあるわけでもない。この程度ならない方がマシ。


 付属品はこれだけ。
 オーラソード、鞘、オーラソードライフル(銃)、オーラソードライフル(剣)、右オーラソードライフル専用持ち手、左オーラソード専用持ち手、左平手。
 で、なんで左のオーラソードライフル用の持ち手と、右のオーラソード用持ち手がないんでしょうか?
 右手にオーラソードを持たせることは出来ません(ゆるゆるで)。左手にライフルを持たせることも出来ません(親指が他の指とくっついているため)。ついでに言うと、右手にオーラソードを持たせた所で結構ゆるいです。
 さらに平手も左だけ。ダンバインでさえ平手は左右にあったというのに、左だけです。
 握り拳なんて影も形もありません。
 EMIAに見られる表情を付けた手首なんて夢のまた夢、必要最小限さえ満たさない、数年前のレベル。
 ついでに、ボールジョイントではなく単軸接続なので、とれるポーズが更に少なくなっています。


 頑張ってポーズをとらせよう!
 なお、腰に可動域は存在しません!


 これは設計ミスかと疑っているんですが、ビルバインの羽はグレーの羽を大きく開いて、オレンジの羽をその内側で小さく開くというのが普通です。
 しかしこの製品ではグレーのはこの写真の位置より開かず、オレンジはそれよりも大きく開くという……なんなんだ。


 ウイングキャリバーへの変形が可能!
 といっても説明書が付属せず、箱に「変形が可能」と小さく写真が載っているだけなので、原作に詳しい人以外は勘で変形させるしかありません。どこまでユーザーを無視したら気が済むんだろう。
 変形は、まず胸部装甲を左右に開き、首を下に向けてコックピット装甲のくぼみに目の部分を合わせます。
 続いてコックピットブロックを頭ごと背中側に跳ね上げます。
 胸部装甲を閉じて手を取り外し、手首の爪が肘の内側を向くように回転させて、肘を曲げます。
 立たせた状態で変形させているのならば、太ももを軸に右の写真ぐらいまで前傾姿勢を取らせます。
 以下は写真に撮りづらかったので文章だけになりますが、今度は太ももの角度をそのままに、背中を軸に腰を跳ね上げると直立状態になります。
 ブリッジをするように今度は膝を曲がるところまで曲げ、曲がりきったら太もも側の膝関節はそのままに、スネ側の膝関節を戻るところまで元に戻します。こうすると、太もも側の膝のラインとスネ側の膝のラインが、関節を挟んで平行になります。
 最後に爪先をたたんで羽を広げると、ウイングキャリバーの完成です。

 注意点としては、背中を軸に腰を跳ね上げる際に跳ね上げすぎると、背中のオーラキャノンが歪みます。また、ウイングキャリバー状態は上半身と下半身で2cm近い段差があるのでアクションベースなり、下半身と地面の間にかます何かを用意しないと斜めで飾ることになります。
 商品紹介等の写真では上にダンバインを載せている絵面が多いですが、その状態で飾るのは凄まじい努力がいります。頑張ってください。


 サイズは缶コーヒーより大きめ。
 設定としても6.9mのダンバインに対してビルバインは8.8mなのでこんなもの。

 総評。
 間違っても2007年の下半期に2100円でリリースするレベルの製品ではない。
 同時発売のダンバインと共通の欠点を持ち、さらにそのダンバインの欠点をより強化したという感じ。
 塗装も適当で、付属品にしても変形の説明が一切ない事にしても、可動範囲にしてもユーザーを無視している。
 羽の可動範囲も設定上どうかというのもあるが、羽自体のサイズやディティールも適当。
 オーラキャノンも動かず、ウイングキャリバーに変形する際に邪魔になるだけ。
 可動範囲は肘も膝も90度曲がるかどうか、腰は可動せず、手首も軸接続と、数世代前のレベル。
 肩のスウィング関節も活かしきれず、利用しようにも変え手首がないせいでとれるポーズも限られている。
 これでどうしたらユーザーが喜ぶと思ったのか、作った人に聞いてみたい。
 プロポーション自体は悪くないだけに、余計にこの「いつもは出来るのに、今回はやってない」という手抜きが情けない。
 なお公式サイト(魂ウェブ)の商品写真を見ると、右手で剣を持っているのですが、あれは一種の詐欺です。あの状態で飾っていても、しばらく放置してると落ちますし、ああやってちょっと角度を持って引っかけない限り構えることさえ出来ません。
 両手持ちの写真もあの角度だから両手持ちに見えるのであって、他の角度からだと軍人さんや教師が教鞭を空いてる手に叩き付けてるようなポーズにしかなりません。
 公式サイトの写真見て「あ、これだけポーズ取れるなら買おう」と思った人はガッカリするはず。

評価箇所(最大点数) 点数 理由
可動(20点) 8 首周りの可動、腰アーマーが無いことによる太ももの上下可動、肩のスウィング関節は及第点。
しかし肩アーマーでスウィングの利点を大幅に殺しており、膝と足首の可動範囲が狭く、
太ももに回転軸がなく、さらには開脚範囲も狭いということで、太ももの上下可動の利点も見事に殺した。
その他の可動範囲も数世代前のレベルだったり、利点を殺していたりでさんざんな物。
2007年下半期発売ならば、従来の技術でほとんどの欠点が解消可能だったはずなのだが……。
付属品(10点) 1 厳しく行く。ここまで「ユーザーが何を求めるか」を徹底して無視した製品は久しぶりに見た。
持ち手が左右どちらか1つずつしかつかない事に加え、平手は片方だけ。握り拳さえ付属しない。
プロポーション(20点) 15 ポーズ固定で飾るだけならば格好良いが……
細部ディティール(10点) 5 塗りのムラやミスが多い。コックピットの適当すぎるディティールは加点にはならない。
オレンジの羽の模様はまあ及第点だが、グレーの方があまりにも「ただの板」すぎるのは残念。
オーラキャノンがまったく動かないのもどうか。
関節保持力(10点) 5 「関節」の保持力は普通。しかし肩アーマーが取れるというか良く飛んでいく。
剣も保持しにくく、腰の変形機構もロックがゆるいため良い印象は持てない。
コストパフォーマンス(10点) 3 ただの手抜き。2007年下半期に2100円を出してまで買う価値は無い。
このクオリティならば1500円が定価の限界、買うとしても1300円以下が妥当だろう。
満足度(20点) 2 不満しかない。「出来るはずのことをしなかった」、この一言に尽きる。
数少ない「格好良いポーズ」で飾っている時にふと感じる、一瞬の満足感に免じて0点は付けなかった。
思い入れの強い機体だからこそ、技術の限界ではなく手抜きでしょぼくなるのが許せない。
合計(100点) 39点



   

レビュートップへ なんでもレビューへ ESIO トップへ ESIO 入り口へ