なんでもレビュー

RX-78-2 GUNDAM (SECOND VERSION)
ガンダム (セカンドバージョン)

定価1500円、2001年8月発売

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 『機動戦士ガンダム』主役機、ガンダムの再登場です。
 MIA第一弾として発売されたガンダムが、あまりにもお粗末な出来で不評でした。不評が延々と続き、MIAを買い続けている人々からも、これから買おうという人に「アレだけは買うな」とまで言われてしまう主役機、そんな状態を打破すべく登場したのが、このセカンドバージョンです。
 これまで(2001年8月まで)のMIA史上最高の出来。これを越えるものを作れるもんなら作って欲しい。値段と質が良い意味で全然見合っていない品です。
 よって今回のレビューは大量に写真を使い、ナローバンドの人には「ケンカ売っとんのかバカ」と言われそうな感じでいきたいと思います。


 全体図。
 モールド(溝)がかなり細かく、しかも多量に入っていますが、スミ入れは抑え目で良い感じです。
 肘・膝は二重関節になっており、可動範囲が格段に向上しています。
 後で説明しますが、足首と肩も二重関節になっています。
 そして、解る人には解るはず、プラモデルのパーフェクトグレード(10000円する最高級プラモ。以下PG)が外観のモデルになっています。また、これが発売された時には、ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー(1000円前後で高品質なプラモ。以下HGUC)のガンダムが発売された後だったため、そちらの技術も多分に取り入れられています。



 上半身を外したところ。
 先ほど、HGUCの技術が入っていると書きましたが、この腰がそうです。
 腰を上半身と接続するジョイント部分の周囲に、灰色のパーツがあります。
 これは、腰にひねり動作を加えた際に、ジョイントがむき出しになる事を防ぐためです。


 ちょっと腰を動かして、階調を反転させました。
 腰の赤い部分が緑、白い部分が黒、青い部分が茶色っぽくなっています。そして、背景の黒が白に。
 ここで見ていただきたいのは、画像中央にある灰色の部分です。
 通常の写真ではあまり見分けにくかったんで反転させましたが、あの灰色のパーツを入れることにより、ジョイントむき出しの「オモチャ感」を減少させ、「リアル感」を増やすという事です。ちゃんと灰色のパーツにもモールドなどが入っています。



 バックパック。
 この凄まじく精細なモールド! 全高約11センチなのに、よくやりますわ。
 また、見てのとおりブースターも動きます。ボールジョイントになっているので、結構自由に動きますよ。
 右の写真はバックパックを外したところ。正直、こんな所まで作らなくても良いのにと思いながら、ちょっと感動(笑)



 これまた先述の「HGUCの技術」なんですが、肩関節が前後にスウィングします。HGUCよりも可動幅が大きいです。
 これにより、肩がやたらと動くようになり、色々なポーズが取れます。


 さらに、肩は90度強まで上がり、二の腕に回転軸があるため、痒いところに手が届く設計。ついでに、先述の肘の二重関節により、腕はここまで曲がります。


 バックパックに差したビームサーベルを抜くというポーズも取れます。
 腰も回転するうえ、これまた先述のHGUCの技術により、腰も多少上下にスウィングします。


 肩のスウィングと、二の腕の回転軸により、両手でビームライフルを構えることも可能。
 ビームライフルはフォアグリップとサイトが可動します。ザクの2ndバージョンと違い、サイトの可動範囲が限られているため、左手で構えてサイトを覗くという事はできません。



 足首です。
 足首は三つのパーツからできており、それを接続すると真ん中の写真のようになります。これは接地性を格段に上げ、また、ポーズの幅を広げることに成功しています。関節をむき出しにせず、ガードを別パーツで可動するように作っているため、プロポーションも崩れません。
 一番右の写真のように、足首だけでかなり動くようになっています。具体例は↓


 この写真が普通に見えたら、バンダイの試みは成功しているという事です。
 足をアップにします。


 解りますか? 足首とカカトが動く事で、かなり人間に近いポーズが付けられるようになっています。
 また、ザクの2ndバージョンとは違い、接続部の強度も充分で不自然さも少ないです。



 膝も二重関節になっています。
 腰の前アーマーがあまり動かないため、正座こそ出来ませんが、大抵のポーズならとることが可能です。
 それこそ片膝立ちも可能。


 片膝立ち。
 そしてこのMIA、なぜかコクピットハッチが開きます。
 ハッチの裏にもモールドが彫ってあり、内部もコアファイターを思わせるつくりに。流石に彩色はされてませんが、アムロらしき人物も座っています。


 足の裏のモールドもこんな感じでこってます。
 塗りわけもしてあり、かなり良い感じ。写真がちょっと失敗しているのが残念です。



 武器セット。
 ビームライフル、ビームサーベルの刃x2、ビームジャベリン、ハイパーバズーカー、ガンダムハンマー、ハイパーハンマー、シールドが付属。
 作中のガンダムの武器をとりあえず全部つけてみましたって感じですね。私は劇場版のガンダムしか見ていないので、ハンマーとかジャベリンは見たことがないんですけど、それでも付いてきたら嬉しいもんです。


 構えてみました。
 シールドはバックパックにマウント可能。バズーカーもマウントできますが、この写真を取った時にはマウントさせるためのパーツを紛失していたので、お見せすることは出来ません。



 シールド。
 三つのパーツから構成されています。
 シールド裏のモールドも凄いことになっていますが、このシールドの機構も凄いです。
 三つのパーツを接続したら右の写真になります。詳しくは次で説明。


 腕の長方形の穴に、シールド接続パーツをはめます。そしてシールド接続パーツ90度動かすと……右端のようになります。
 この機構により、シールドが重くて支えられないという事態を避けることができ、しっかりとシールドを持たせられます。
 接続パーツ自体がかなり動くので、腕に接続しておいて、手はライフルを握るという事もできます。


 接続パーツのおかげで、シールドの微妙な角度付けが可能に。しっかりとシールドをもてるので、凄く安定します。ポーズの幅も広がりました。



 付属パーツその2
 バックパックとサーベル、銃器持ち手とサーベル用持ち手です。このほかに握り拳と、バズーカーを腰にマウントさせるパーツが付きます。
 手首は、通常のMIAとは違い、ボール状の関節に手首をかぶせるという方式なので、凄く自由にポーズが付けられます。



 ハイパーハンマーを構えてみる。ちゃんと鎖になっています。ちなみに金属性。

 本当に、バンダイはこれで採算が取れてるのかと疑問になるほど、凄まじい作りこみです。
 憶測ですが、主役機たるガンダム(初期版)があの評価だった事にプライドが傷ついたんだろうなぁと。バンダイの技術を結集したと言っても過言ではないこの逸品、是非にオススメします。
 欠点ですが、思いつくのは二つ。
 一つは、肩がやたら動くぶん、外れやすいこと。結構ポロポロ取れます。
 もう一つは、首の上下可動がないこと。見上げたり見下ろしたりというのが出来ません。
 それ以外は大体許容範囲。

評価箇所(最大点数) 点数 理由
可動(20点) 16 初期のMIAと比べると、ここまで動くかという感動が。
現在のMIAの評価基準はこれがベースになるほど。
付属品(10点) 10 これ以上付ける物はない。せいぜい2本目のバズーカーぐらいか?
プロポーション(20点) 16 PGベースになったデザインは好みが分かれるかも知れない。
だが上手くまとまっていて、ポーズを付けても格好良い。
細部ディティール(10点) 9 ここまでするかという所も作っているのは素晴らしい。
関節保持力(10点) 6 腕が取れる。よく取れる。1stからの正当進化がこんな所に。
その他の部分は可もなく不可もなく。
コストパフォーマンス(10点) 10 1500円でここまでされたら文句は言えません。
満足度(20点) 16 「もう少し動いて欲しいけど、まあこれが限界か」というレベルの可動は持っている。
以降に発売されたMIAの評価基準となる、新世代のスタンダードとなった製品。
肩の外れやすさ、首の可動範囲の狭さの他は、ほとんど不満点がない。
それだけに不満点が際立ってしまうのは残念。
合計(100点) 83点




  

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